Biz∫APF編 イノベーター集団から生まれた知恵の結晶(1)

Biz∫ビジネスを裏側から支えるエンジニアに、開発構想からリリースするまでの道のり、開発にかける想いetc…を、率直に語ってもらいます。今だから話せる開発エピソードや秘話が明かされるかも知れません?! 第1回は、Biz∫シリーズのアプリケーション共通基盤「Biz∫APF」の製品開発責任者である開発本部 田中本部長と、横井プロジェクトマネージャに話を聞きました。全2回に分けて、今回はBiz∫APFの開発の背景や狙い、リリースまでの苦労話をお届けします。

エンジニアプロフィール

田中 宏治
開発本部 本部長

■経歴
NTTDATA入社後、SCAW事業の立ち上げ期からSI、PKG開発責任者まで 16年間SCAWによるPKGビジネスを経験。2008年からBiz∫事業の企画立ち上げに参画し、現職に至る。

■趣 味
キャンプ/スキー/ギター演奏

エンジニアプロフィール

横井 智己
開発本部 APFチーム プロジェクトマネージャ

■経歴
NTTDATA入社後、SCAWの開発、SI経験を経たのちに、 某社基幹業務システム再構築プロジェクトにて、フレームワークの開発を担当。2008年からBiz∫事業の企画立ち上げに参画し、現職に至る。

■趣 味
読書/サッカー観戦

Biz∫APFは、Biz∫においてどういう位置づけなのか教えてください。

横井・田中

Biz∫は、Webサービス技術を取り入れた統合型フレームワーク「intra-mart」をベースとしたERP製品です。会計、販売、人事などの基幹系業務から、グループウェアやBI(ビジネスインテリジェンス)などの情報系まで豊富な業務アプリケーションをラインナップしています。 Biz∫APF(アプリケーションプラットフォーム)とは、intra-mart上で稼働するBiz∫アプリケーション共通の開発・実行基盤です。Biz∫のアドオンの開発には欠かせないツールであり、また企業様でお持ちの既存アプリケーションの開発に本製品を適用いただくことで、全社システムの最適化を実現することができます。

Biz∫APFをご担当される前は、どのようなお仕事だったのでしょうか?

田中

Biz∫の前身である、統合基幹業務パッケージ「SCAW」立上げのメンバーとして参画し、その後Biz∫構想の段階から事業に携わってまいりました。

横井

僕も田中と同じく、入社後SCAWの開発担当となり、その経験を活かしてBiz∫の開発に参画して今に至ります。

田中

2人ともほとんど同じ道を歩んでいます(笑)

Biz∫APFの開発の背景や狙いを教えてください。

横井

SCAWの開発で感じたことは、お客様のニーズとして、業務アプリケーションを長く使い続けたいという一方で、技術の進展に合わせて最新の技術をシステムに取り込んでいきたいという2つのご要望があるということです。それを実現するためには、OSなどがバージョンアップしても柔軟に吸収し、追従していけるような開発基盤が必要なんじゃないかと感じていました。 そこで、SCAWに代わる新しいERP製品を開発する上で、新しいテクノロジーを活用しつつ、様々なアプリケーションが乗せられる基盤を目指そうと考えました。製品の命名にあたって「アプリケーションプラットフォーム」と名付けたのは、そういった想いが根底にありました。

田中

プロジェクトスタートにあたり、横井に白羽の矢が立ちました。 当時、彼はSCAWの開発部隊でSI業務を担当しており、お客様の抱える課題にまさに直面していました。その経験やノウハウを活かしてもらおうということになり、プロジェクトマネージャとして任命しました。 実を言うと、Biz∫ビジネスの構想が立ち上がったときに、最初に作ったのは販売管理システムだったんですよ。元々、intra-martの基盤上で動く販売管理システムがあって、その母体に手を加えてできたのがBiz∫販売でした。 その後、会計をはじめ様々なアプリケーションの搭載を検討する中で、「基幹業務に共通するマスタデータは各々のアプリケーションでバラバラに持つのではなく、一元管理できたほうが良いのではないか」、「ワークフロー系とスムーズな相互連携が図れないか」、「共通の規約ルールをベースとしてアプリケーションを統制できないか」といった発想が出てきました。それがBiz∫APFというコンセプトにつながったのです。

販売管理システムという業務アプリケーションを作ったことで、開発基盤の共通化の重要性に気付くことができたわけですね。

田中

そうです。通常とは逆の開発プロセスだったわけですが、今思えば結果的にBiz∫APFの成功につながったと思います。

開発スタートはいつごろですか?

横井

2009年4月から開発がスタートしました。開発体制としては、次世代型のSCAWを検討していた開発部隊、特に技術スキルの高いメンバーを10名ほど集めました。

選りすぐりの優秀なエンジニアたちだったわけですね。

横井

一言でいうと、「尖った」メンバーたちです(笑)。寡黙で、飲み会に行くこともあまりなく、どちらかというと群れないタイプ。それでいて黙々とすごいものを作っている。素晴らしいツールが短期間に出来ていて驚いたこともありました。Biz∫APFは、このような優秀なメンバーのお蔭で出来上がったと思っています。

田中

カッコよく言わせてもらうと、「イノベーター集団」かな(笑)

プロジェクトマネージャにアサインされたときの心境は?プレッシャーは感じなかったですか?

横井

優秀なチームメンバーに恵まれたお蔭で、特にプレッシャーは感じなかったですね。 性格的に、あまりストレスを感じないタイプということもあるかもしれません(笑) とはいえ、休日は、仕事モードからオフモードに完全に切り替え、家族と出かけたり、サッカー観戦したりすることで気分転換していました。

開発期間は?

横井

市場デビューとなる「バージョン1.0」がリリースされたのは、開発スタートから約1年半後の2010年10月でした。その後もミドルウェアの変更や開発方式の見直しなど日々改善を繰り返しながら、現在の「バージョン1.3」に至ります。 ああしたい、こうしたいという情熱は尽きることはないので、個人的にはプロジェクトに終わりはないと感じています。

製品をリリースするまでに苦労もあったかと思いますが。

横井

Biz∫APFは、様々な業務アプリケーションの共通プラットフォームとして機能するよう開発を進める必要がありました。また、市場からの評価が高く、実績のあるintra-martがベースとなっているということから、自社のみならず、関係会社やパートナー様からも期待されておりました。 そこで、開発スタートと同時にワーキンググループを発足させ、開発関係者、パートナー企業、ベンダー様と議論しながら進めていきました。それぞれの立場からの様々な意見や要望を集約し、両社がWin-Winとなるように調整し、SCAWとintra-martの長所を最大限に活用しながら構築しました。 このように、Biz∫APFは、技術者、関係部署、パートナー様、ベンダー様など沢山の方々の知恵の結晶なのです。

以上、『Biz∫を支えるエンジニアたち Biz∫APF編 前編』をお届けしました。後編では、Biz∫APFの魅力や将来的な構想についてをお届けします。次回の更新にもご期待ください!!