Biz∫CRM/SFA 宝の山を掘り起こせ!人と情報を最新技術でつなぐ(1)
Biz∫ビジネスを裏側から支えるエンジニアの方々に、開発構想からリリースするまでの道のり、開発にかける想いetc…を、率直に語ってもらいます。今だから話せる開発エピソードや秘話が明かされるかも知れません?! 第5回は、Biz∫シリーズのアプリケーション「Biz∫CRM/SFA」の構想段階より参画されていたNTTデータイントラマート 福田チームリーダーと、NTTデータ 水上シニアコンサルタントに話を聞きました。
エンジニアプロフィール
福田 高広
株式会社NTTデータイントラマート セールス&マーケティング本部
エンタープライズセールスグループ ソリューション企画チーム
チームリーダー
■経歴
NTTデータイントラマートの創業期から製品開発に携わる
2009年よりNTTデータ・ビズインテグラルに出向
2010年からBiz∫CRM/SFAの構想段階より参画
現在はNTTデータイントラマートにて、Biz∫事業を担当
■趣 味
スキー/スキューバダイビング
エンジニアプロフィール
水上 幸孝
株式会社NTTデータ Biz∫事業統括部
Biz∫ソリューション担当 シニアコンサルタント
■経歴
NTTデータ入社後、システム開発やintra-mart基盤での開発プロジェクトに従事
2010年よりNTTデータ・ビズインテグラルに出向。Biz∫CRM/SFAの要件定義フェーズから参画
現在は、Biz∫CRM/SFAの開発およびBiz∫導入の技術支援を担当
■趣 味
スキー/ランチタイムの散歩
初めに、Biz∫CRM/SFAの概要をお願いします。
福田: 「Biz∫CRM/SFA」は、CRM(Customer Relationship Management:顧客管理システム)、SFA(Sales force automation:営業支援システム)機能を備えた、営業力強化を目的とした業務アプリケーションです。 NTTデータイントラマート社が提供する統合型フレームワーク「Biz∫intra-mart」をベースとしたERPパッケージ「Biz∫」シリーズの1つで、営業担当・上司・販促企画部門間の営業情報を、体系的且つリアルタイムに共有し、営業情報の「見える化」を推進するクラウド対応次世代型システムです。
開発に至った経緯を教えてください。
福田: 「Biz∫CRM/SFA」は、営業現場の情報が、入力方法や形式の違いといった制約などから営業担当者にとって負担となっており、うまく伝達できていないことや、せっかく入力された営業情報が、管理の複雑さから効果的に活用・共有されていないなど、営業情報運用における課題を解決するために開発されました。 「Biz∫CRM/SFA」の構想があがった当時、既に市場ではいくつかの会社からCRM/SFA製品が販売されていましたが、「自社にとって不必要な機能がバンドルされている」「保守の料金が高い」「せっかく導入したものの営業現場で使いこなせていない」といったお客様の不満の声があることが、ヒアリングやアンケートを通じて分かってきました。 折り良く、パートナー企業の株式会社JSOL様から共同開発の提案があり、プロジェクトを一緒に進めることとなりました。JSOLは、基幹業務システムや周辺業務システムの構築実績を数多くお持ちで、中でも得意分野とされる製薬業界に関するシステム構築ノウハウを活かし、製薬業界に特化した業務テンプレートを作りたいという構想でした。そこでBiz∫社としては、JSOLの豊富な知見を元に汎用的な業務アプリケーションをつくり、幅広い業界にご利用いただくことを狙いとして本格的に開発に着手しました。
開発コンセプトは?
水上: お客様からのこれまでの要望やご意見を踏まえ、「お客様の独自要件に合わせてカスタマイズしやすいよう、必要最小限の機能を搭載したシンプルな構成」、そして「低価格でスピーディに導入可能なシステム」というコンセプトを掲げました。
どのような体制で開発を進めましたか。
福田: 2010年1月に要件定義がスタートし、それから約3ヶ月間JSOLとBiz∫開発部隊と週1回ベースで打ち合わせを重ね、仕様をつめていきました。主力メンバーは約10名、開発ピーク時でオフショア部隊を含め20名程度の要員で開発しました。私は元々NTTデータイントラマート社にてCRMシステムの開発経験があったので、本開発においても今までの業務知識を役立てることができました。
水上: 一方、僕はCRM/SFAの開発は始めての経験でしたが、新しいことを学び吸収できるチャンスだと捉え「何でも来い!」(笑)という気概で取組みました。立ち上げフェーズから参画することができたことも大変幸運でした。厳しいスケジュールではありましたが、プロジェクトメンバーとのコミュニケーションもスムーズで、和気藹々とした雰囲気の中で自分の力を発揮することができたと思います。
開発エピソードがあれば教えてください。
水上: 全文検索機能の実装には苦労しました。全文検索機能とは、顧客訪問時やレポート作成時に、蓄積した営業活動の情報から商品名や競合企業名、 案件名といったキーワードで検索することができる機能です。営業情報を有効活用するためには必須の機能だと考え搭載したものですが、他のBiz∫の業務アプリケーションには無いオリジナルの機能だったため、片っ端から有識者にヒアリングし、試行錯誤を繰り返しました。処理時間をできるだけ短くするため、何度も検証し工夫を凝らしました。
福田: 本プロジェクトでは、これまでのBiz∫会計や販売管理アプリケーションに無い、いくつかの新しい取組みにチャレンジしました。 例えば、intra-martのアプリケーションシリーズの1つであるグループウェア「イントラネット・スタートパック」との連携です。「イントラネット・スタートパック」には、社内の情報共有や情報交換に必要な機能がひととおり揃っており、全社・全グループ企業規模でスケジュール管理やToDoの共有が行え、お客様の活用機会を増やすことができます。その他にも、営業担当者が外出先からモバイル端末を使って入力できるスマートフォン対応機能やメール送信機能も搭載しました。全文検索機能も新しい取組みの1つです。最新版ではこれらの機能が標準装備されています。
チャレンジングな取組みにご苦労されただけに、製品がリリースしたときは感慨深いものがあったかと思います。
福田: プロジェクト構想から約1年8ヶ月後の2011年8月にバージョン1.0をリリースしました。完成したときは、嬉しさと同時にホッとしました。社内レビューでは厳しい意見も出たので、その対応や修正、検証を繰り返し、リリース直前まで気が休まるときが無かったですが、完成版を見たときには今までの苦労がようやく報われた気がしましたね(笑)。次期開発では、スマートフォンへの対応や他業務アプリケーションとの連携などタスクは山積みでしたが(笑)、メンバーと力を合わせてバージョン1.1、1.2、1.3と一歩一歩着実に改善を進めてきました。以上、『Biz∫を支えるエンジニアたち CRM/SFA編 前編』をお届けしました。次回は、Biz∫CRM/SFA の一押しポイントや実際のプロジェクトでの評価、今後の展開についてをお届けします。ご期待ください。