目次
導入前の課題と効果
導入前の課題
- システムから印刷出力された請求書などの帳票の承認処理を押印により手続きを行っていたため、決裁が完了するまでの時間を要していた
- 購買業務では取引先とファックスや郵送で書類をやりとりしていた
- 承認決裁を受けた帳票の内容をシステムに入力しなければならない手間が発生していた
導入効果
- 帳票の承認処理をワークフロー化することでペーパレス化と業務効率化を実現
- EDI(電子データ交換)により、取引先との書類のやりとりも電子化
- 承認決裁を受けた帳票の内容が自動的にシステムに反映
「Biz∫」導入の背景
会計購買システムの刷新に至った経緯を教えてください。
江口様
京葉ガスが最大の強みとしているのは、長年にわたるガスの供給を通じて地域のお客さまとの間で培ってきた信頼関係です。この強みを生かし、今後はお客さまの生活全般にわたりサービスを提供していく「総合生活産業事業者」へ進化することを目指しています。しかし、一方で私たちがサービスエリアとしている千葉県北西部も中長期的には人口が減少していくことが予想されており、エネルギー自由化の流れと相まって競争は激しさを増していきます。
そうした中で非常に重要な役割を担うのがITです。財務・管理会計や購買といった間接業務は可能な限り効率化・自動化を進め、それによって生み出された経営資源を競争分野や新規事業に振り向けて、重点的に投資していきたいと考えています。今回、会計購買システムの刷新に踏み切った背景には、そんな狙いがあります。
取締役 常務執行役員
江口 孝様
「Biz∫」の選定理由
今回の導入プロジェクトはどのような形で進めてきたのでしょうか。
藤間様
2017年7月に経理部、資材部、情報システム部の3部署が合同し、システム刷新のプロジェクトが立ち上がりました。このメンバーを中心に今後の京葉ガスの会計購買システムのあるべき姿を議論し、各ベンダーから寄せられた提案内容を比較検討した結果、Biz∫を選定しました。2019年初頭からシステム構築作業に入り、2020年9月に本番稼働を開始しました。
財務・管理会計や購買などの業務を抜本的に効率化する基盤として「Biz∫」を採用した決め手となったポイントはどこにあったのでしょうか。
藤間様
複数のパッケージシステムを比較検討しましたが、財務・管理会計業務と購買業務を1つのプラットフォームでサポートしており、同時にシステムのランニング費用を下げたいという私たちのニーズに最も合致したのがBiz∫でした。
機能面では紙を前提とした業務から脱却して電子決裁に移行したいという思いがありました。そのような中でワークフローを標準搭載しているBiz∫に注目しました。また、取引先とのやりとりを電子化するEDIをBiz∫の連携ソリューションとして提供していることも大きなポイントでした。
情報システム部 システム開発グループ課長
藤間 哲哉様
導入プロジェクト
システム構築過程では苦労もありましたか。
藤間様
購買業務は、社内の部署が資材部へ購買を依頼するところから始まり、取引先へお支払いをするまでの一連の業務です。その流れをシステムへ落とし込む作業は、容易ではありませんでした。要件定義・設計の工程では、プロジェクトメンバーやタクトシステムズさまと様々な観点からの擦り合わせを行いました。また、購買から会計へ繋がる部分の仕様については、情報システム部としても特に注力しました。
想定外だったのは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、出勤の制限やエンドユーザーに対する対面での操作教育を断念する等、予定外の対応が必要でした。
対面での操作教育ができなくなった影響を、どのようにして補ったのですか。
井上様
資材の購買に関しては、業務の担当者(入力者)向け、管理職(承認者)向け、協力会社向けのマニュアルを作成しました。細かいところまで配慮して作成した甲斐があり、操作に戸惑って問い合わせてくる人は思っていたより少なく、ほぼマニュアルで対応していただけているようです。
資材部 資材グループ
井上 麻未様
導入後の効果
コロナ禍の影響を受けながらも新システムは順調なスタートを切ることができたようです。どんな効果があらわれていますか。
経理部 財務グループ
西原 宏司様
加えて固定資産管理の機能が新たに導入されたことも大きなポイントです。装置産業である弊社は膨大な設備を所有しているのですが、従前はMicrosoft Accessで手組みしたプログラムで固定資産を管理していました。しかし、特に減価償却計算のプログラムが複雑で属人化しがちであり、税制改正が行われた際の修正対応に課題がありました。今回導入された固定資産管理機能はBiz∫の標準機能として提供されているため、今後の税制改正にも自動的にアップデートが行われるので安心です。
同様に従前はExcelを使って行っていた管理会計の機能もBiz∫上での一体運用が可能となり、データの転送や再入力の手間が削減されるなど利便性が向上しています。
井上様
購買の観点でもペーパレス化の効果は非常に大きいです。取引先とのやりとりから社内での決裁まですべての業務をシステム上で完結できるようになりました。また過去の帳票もシステム上で簡単に検索することができるなど、業務のスピードアップにも貢献しています。
Biz∫によって刷新された会計購買システム
ペーパレス化による効果を定量的に示すことはできますか。
井上様
過去の帳票を確認する際に、これまでは席を離れて書棚に保管されているファイルから探し出さなければならず5分程度かかっていましたが、システム上での検索であれば1~2分もあれば完了します。
西原様
例えば紙の帳票で最終承認される度にシステムに承認情報を登録していた手間がなくなったことが大きく、月間10時間程度の工数削減をもたらしています。
テレワーク化、ひいては働き方改革も後押ししているのでしょうか。
西原様
そう考えていただいて間違いありません。税金関係の納付書の支払処理など紙で対応しなければならない一部の業務を除き、システム上で完結可能となりました。インターネットに接続できる環境さえあればどこでも仕事をすることができます。
今後の展望
今後の課題や展望をお聞かせください。
江口様
先に申し上げた通り、今回のシステム刷新には非競争領域の間接業務を効率化するという狙いがあり、Biz∫の導入によってその目標をほぼ達成できるめどが立ちました。その意味で今後チャレンジしていかなければならないのが、競争領域におけるシステムの強化です。
これまでのガス事業中心の顧客管理から、京葉ガスやグループ会社の各システムを連携させ顧客データベースを統合させることで、顧客情報の利用拡充を図り、”次の「うれしい!」”を創出していきたいと考えています。総合生活産業事業者としての情報システムを構築し、競争の優位性を確立することを目指しています。
西原様
ワークフローで多くの業務が便利になった反面、途中でデータを追加することができないなど融通が利かない部分もあります。これらのシステムの特性を熟知し、全員でより良い運用や仕組み作りに知恵を出し合い、更なる業務効率化を推進していきたいと考えています。
井上様
購買業務についてはBiz∫の標準機能と独自に作り込みを行った機能の間で若干操作感が異なる部分があるため、今後ユーザーインターフェースの統一を図っていきたいと考えています。
企業紹介
京葉ガスは、東京都に隣接したベッドタウンとして多くの方がお住いの千葉県北西部(市川、船橋、浦安、松戸、鎌ケ谷、柏など)で都市ガス・電気を供給しています。
2021年1月に地域社会にとってより身近で役立つ存在へと進化し続ける企業を目指し、コーポレートメッセージとコーポレートロゴを一新。お客さまの安全・安心な暮らしに貢献するとともに、京葉ガスにしかつくりだせない「うれしい!」をご提供するため、ご要望の一歩先にある暮らし方の提案に情熱を持って取り組んでいます。
パートナーから一言
本プロジェクトにおきまして、京葉ガス様には多大なるご支援を賜りましたこと、厚くお礼申し上げます。プロジェクトの途中からコロナ禍によりテレワーク中心の働き方に切り変わったことで、京葉ガス様との意思疎通やタイムリーな情報共有といった点で懸念がありましたが、WEB会議やファイル共有といったツールの活用であったり、受入テスト期間中は短時間でも毎日WEB会議を実施して品質状況を共有し、課題にスピーディに対応するといった対策を図りました。
現在定着しつつある働き方ではありますが、京葉ガス様のご協力のもと試行錯誤しながら小さな工夫を積み重ねた結果としてコロナ禍の影響を最小化し、無事本番運用を迎えられたと考えています。 本システムの仕組みの一つとして京葉ガス様と取引先様との連携プラットフォームである「購買業務ポータル(EDI)」を構築しました。これにより、取引先様との見積~発注~請求業務の効率化やペーパレス化により業務改善を実現できました。
今後とも、京葉ガス様のビジネスや業務改善の一役を担える企業となれるよう、日々取り組んで参ります。
(タクトシステムズ株式会社)
導入事例資料
導入事例資料ダウンロード