人事制度の構築を優れた操作性と拡張性でサポート 評価業務の効率化と人材の適材適所を目指し改革の切り札としてBiz∫人事シリーズを導入
目次
導入前の課題と効果
導入前の課題
- 2015年度からはじまった新たな評価制度の導入により、従来の人事業務に加え、評価業務のシステム化が急務となっていた。
- グローバル化に向けた就業・労務管理のさらなる適正化、企業価値向上を目的としたコンプライアンスの強化が必要とされていた。
導入効果
- 目標管理と評価機能をパッケージングしたBiz∫人事シリーズによって、従前からの帳票管理をデジタル化。データ集計作業などを省力化し、人材のスキル管理や育成についての分析にもより注力できる環境が整った。
- 就業管理の適正化や新たな人事制度への対応に加え、タレントマネジメント分野に特化したSmartCompanyの導入でグループ全体の的確な人材配置に先鞭を付けることが可能となった。
- システムをクラウド環境上に構築することで、短期間での構築、運用負荷軽減、安定的な稼働を実現。
課題解決までのレポート
変革の旗印としてシステム強化を推進。現場負担の軽減や制度改新に大きく寄与。
紙やパルプを取り扱う専門商社として、国内第2位の実績を誇るのが国際紙パルプ商事だ。ネット環境が巷に普及し、ICT(Information and Communication Technology)が目覚ましい拡がりを見せている現在にあっても、紙製品に対する依存度は変わっていない。オフィスで用いられる洋紙類、モノを包む包装紙、段ボールなどの板紙と、多様なシーンに欠かせないマテリアルとして今なお活用されている。このように広範な領域を担う同社は、創立100周年にあたる2024年に向けた長期経営ビジョン「GIFT+1 2024」の実現を掲げている。これは長年にわたる紙関連事業での知見を元に、さらなる躍進と企業価値向上を図るための推進策。当然ながらプロジェクトには、ビジネス環境の整備ならびに就労・人材管理といった人事部門の制度改革も含まれている。
「創業100周年に向けて、当社では事業構造の改革に取り組んでいます。日本の紙市場は、中国、アメリカに次いで第3位。全世界におけるシェアは約7%なのですが、成熟した国内市場に依存しているだけでは、よりよい成長戦略を描きにくいのが現状です。そこで重要になってくるのが、国外市場の開拓を見据えたグローバル化です。海外で活躍できうる人材を抽出し、あるいは教育を施しながら、適所に配置していかなければなりません。そのためには従前からの人事業務をより進化させ、社員それぞれのスキル管理を徹底する必要に迫られていました」
そこでNTTデータビジネスシステムズは人事・就労分野に特化し、タレントマネジメント分野への拡張性が高いBiz∫人事シリーズを提案。2014年夏、このプロジェクトを主導する総務・人事本部の藤代健一課長からのプレゼン依頼に応えるべく、緻密なヒアリングを重ね、目標・評価管理に優れ、タレント分析などの機能にも秀でたSmartCompanyの段階的な導入を併せて提言した。これらはスムーズなシステム連携が可能なため、人事マスタ一元化の実現や、異なるサービス間でのSSO(シングルサインオン)にも対応する。また業務フローのシステム化によって作業負荷の軽減が図れるだけでなく、紙ベースの帳票運用を見直すことで得られるコスト削減、データ反映に要する時間短縮など、さまざまな面での効率化についても期待が持てる。引いては新たな人事制度の精度向上につながっていくとあって、競合他社を含めたコンペでは好評価を獲得した。
採用ソリューション決定後は、14年12月から要件定義を固める作業が開始され、翌15年3月にカットオーバー。第1フェーズにあたるシステム共通基盤Biz∫ ePro_St@ff人事と、SmartCompanyの運用がスタートした。
その後、15年6月にSmartCompanyについては、カスタマイズが加えられ、Biz∫ ePro_St@ff就労も16年に本格稼働を控えている。
「これまで人事台帳などのデータは、部署ごとにさまざまな形で管理されていました。今回の導入で情報の一元化が叶い、作業効率が大きく向上したと思います。また、現在進行形で進めているSmartCompanyの人事評価についても同様のことがいえます。ほぼ100%紙運用だった人事部門と現場とのキャッチボールの負荷が、今後は大幅に軽減されるでしょう」とは、総務・人事本部の濱中孝幸主事。Biz∫人事シリーズが改革の切り札として機能しつつあると語ってくださった。
選択の決め手
将来性を担保した製品そのものの優位性と開発チームのフレキシブルな対応力。ニーズを満たしたのは豊富な経験に基づく的確な提案。
現段階では、総合的な強化を目的とした第1フェーズがほぼ達成され、その先にある人材育成、配置、活性化を目指した第2フェーズへと移行しつつある。具体的には、Biz∫ ePro_St@ff人事との親和性が高いSmartCompanyをさらに組み入れることで、社員一人ひとりの個別的・具体的なキャリア情報を基にした詳細な分析が可能になり、さらなる人事業務の適正化が図られるだろう。すべてのフェーズがひと通り完遂した時、得られるメリットをまとめると以下の通りとなる。
①業務フローのシステム化によって、作業負荷の軽減や、紙運用からの脱却に伴うコスト削減が高いレベルで実現できる。
②必要な機能がワンストップでパッケージングされているため、今後継続されていく制度改革にも一部カスタマイズを施すことで柔軟にフィット。適合度が高く、追加コストのリスクも抑えられる。
③タレントマネジメントのモジュール追加(第2フェーズ)で、人事管理が俯瞰視でき、人材情報の一元化や適材適所への人材登用など、人事マネジメントの可能性が飛躍的に前進する。
先々を見据えた際、SmartCompanyを組み合わせたBiz∫人事シリーズは、当社が求めているビジョンの実現に合致することが容易に想像できました。実際に稼働をはじめている業務においても、高い操作性に助けられ確実に成果を上げています」とは藤代課長の弁。また、本プロジェクトの成功は、製品そのものの優位性に加え、NTTデータビジネスシステムズの「フレキシブルな提案」に依るところも大きいと、濱中孝幸主事は続ける。
「例えば、当初リクエストになかった”クラウド環境の構築”についても、NTTデータビジネスシステムズさんがスピーディに取り組んでくれました。信頼性の高いディメンションデータのクラウドサービスは、ハードウェアの保守等の運用負荷軽減を図りたいというこちらの条件にフィットし、結果的に短期間での構築を可能にしました。
現在もトラブルはなく、きわめて安定的に稼働しています。また、最終的なベンダー選定にあたって行われた経営層へのプレゼンテーションでも、機能や効果をわかりやすくご説明いただいたと感じています。とにかく、お願いしたことを当たり前のように実現してくれる。その即応力が信頼につながっていったと思います」
足繁く通い、真摯に耳を傾ける。要件を細やかに拾い上げ、具現化への最短距離を指し示したことも、導入の決め手といえるようだ。
将来の展望
SmartCompanyモジュールの段階的導入によってより高度な業務環境の整備・拡張を図りたい。
「文化の異なる海外で働くには、業務に関わるスキルはもちろん、語学の習熟度や渡航経験なども強みになります。そうした社員の適性をタグ付けし、状況に応じてすぐに情報を抽出できるようにしていきたいですね。スキルを管理することで、スキル管理に基づいたローテーションが行えますし、それぞれの足りていない部分もわかる。社員の能力を中長期的に育んでいく際の指針にもなると期待しています」
この春からは、Smart Companyのポテンシャルを引き出すキャリア管理、スキル管理、タレント分析などのモジュール追加が検討されてゆく。企業にとって、そこに働くスタッフは貴重な経営資源。組織の改革と次世代リーダー&グローバル人材育成のために、人事部門の機能進化が続けられている。
会社概要
会社名 | 国際紙パルプ商事株式会社 |
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所在地 | 東京都中央区明石町6-24 |
事業内容 | 紙、板紙、紙加工品、パルプ、古紙、化成品、紙関連機械、包装資材、その他関連商品の売買および輸出入を手掛ける、紙総合商社。 |
導入事例資料
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