30年以上前にスクラッチ開発した販売と会計システムを更改
~「商社」と「メーカー」の二刀流で日本のモノづくりを支えるシステムへ~
目次
導入前の課題
- 30年以上を経て老朽化した基幹システムでは事業変化への追随が困難
- 手作業で課税/非課税、税率を修正しておりシステムとしてインボイス制度に対応できていない
- マンパワーに依存し、情報の可視化やリアルタイムなデータ集計ができない
導入効果
- 標準機能を利用しつつも技術商社として固有の業務要件もカバーでき、拡張性の高いシステム基盤になった
- 販売情報と会計情報のシームレスな連携により担当者の手作業を削減
- 蓄積されたデータを活用し経営数値のスピーディな可視化を実現
「Biz∫」導入の背景
― 従前の販売管理システム、会計システムには どのような課題があったのでしょうか。
天野様
当社は「商社」と「メーカー」の2つの側面を持ち創業以来、製造業のお客様のビジネスを支えてきました。
昨今は目まぐるしく技術や環境が変化していく中で、よりお客様視点で課題を理解し、ビジネスの解決につながる提案が求められるようになっています。
そこで、日本の「ものづくり」を強くするという理念の下で製造業のお客様を今まで以上に力強く支援すべく、新たな価値創造・価値提供を目指すようになりました。
しかしながら、当社が変革を進める一方でそれらを支える基幹システムは30年以上前にスクラッチ開発されたものを利用しており、事業を取り巻く変化に対応できなくなっていました。
江頭様
事業視点に加え、日々作業を行っている現場視点でも旧システムは課題を抱えていました。
例えば、販売管理システムではインボイス制度への細かな対応ができず、一旦すべての売上を課税品目として一定税率を掛けて会計システムに計上したうえで、経理担当者が手作業で品目ごとの課税/非課税や税率を修正していました。同様に債権/債務の消込作業もマンパワーに依存するなど、経理部門の作業負荷が高かったのです。
また、会計システムでは法改正への迅速な対応に加え、情報の可視化やスピーディなデータ集計が求められていました。
― そうした課題に対して、どのような解決を目指したのでしょうか。
天野様
従前の基幹システムは老朽化していたため、これ以上の継続利用は困難でした。長期利用を見据えた全社システム基盤の構築が不可欠であり、全面的に刷新すべきという判断に行き着きました。
まず販売管理システムの検討から始めたのですが、会計管理システムの運用基盤も更改時期が近づいていたこともあり、こちらも併せて刷新することにしました。
「Biz∫」選定理由
― 販売管理システムや会計管理システムの新たなパッケージとして、「Biz∫」の採用に至った理由をお聞かせください。
江頭様
従前のシステムがスクラッチ開発だったことから、既存の保守会社への依頼を行いつつ、新たにパッケージへの刷新も視野に入れ調査を進めてきました。
電子帳簿保存法やインボイス制度、また導入実績などを踏まえて調べたところ、NTTデータと一体で開発・提供されているBiz∫が目に留まりました。
Biz∫が運営しているWebサイトへの資料請求やウェビナー視聴を通じ、大企業で数多く導入されている事例を知るにつれ、「このERPなら当社も安心して使いこなしていけそうだ」という確証を掴んでいきました。
― Biz∫を採用した決め手についてお聞かせください。
天野様
パッケージに対して求めたのは、技術商社である当社固有の業務要件に合わせて、豊富な機能を有しつつも柔軟にカスタマイズが可能な点です。
外資系ERPパッケージの中には事実上カスタマイズを認めていないものもあり、その点で最も優位に立ったのがBiz∫です。
江頭様
既存保守会社を含め6社ほどにRFP(提案依頼書)を配布し、各社からスクラッチ開発または様々なパッケージを用いたソリューションを提案いただきました。
ビジネスへの適合性やコストはもちろん、特に重視したのはコミュニケーションです。
各社とやり取りを重ねた中で、私たちの事業や業務課題に対する理解力なども加味した結果、最終的にERPパッケージのBiz∫とその販売パートナーであるビジネスブレイン太田昭和(略称:BBS)の提案を採用しました。
Biz∫は必要な機能を網羅していた点に加え、BBSであれば Biz∫の柔軟性を活かして基本機能とバランスの取れた、質の高い導入を行ってもらえると判断しました。
導入プロジェクト
― 導入プロジェクトの大まかな流れをお聞かせください。
江頭様
システム刷新の検討に入ったのが2020年9月です。その後、ベンダー選定を経て2021年8月にBBSの提案のもとでBiz∫の導入を決定しました。
そしてプロジェクトは同年9月より開始し、まず販売管理システム、続いて会計管理システムの順に導入を進め、2024年5月にカットオーバーしました。
― 約3年に及ぶプロジェクトの中で印象に残っているエピソードがあればお聞かせください。
江頭様
従前のシステムは良くも悪くも業務に合わせて機能を実装してきました。
Biz∫をベースとした販売管理システムや会計管理システムに切り替わったことで、想定内ではありましたが「なぜこの機能がなくなったのか?」といった問い合わせがありました。
やはり使い勝手が変わったことに、ギャップを感じていたようです。
そこで、各業務部門と本プロジェクトの目的やパッケージに業務を合わせることのメリットなどについて会話を重ね、定着化に向けた取り組みに注力しました。
導入後の効果
― Biz∫導入後の効果をお聞かせください。
天野様
販売管理システムと会計管理システムの刷新に合わせて、Biz∫の基盤であるintra-mart上では統合マスタの整備も行ったことで、データの一元管理を実現できました。
今までは各システムが個別に構築されていたため、システム間のデータ連携を人手で対応していました。今後は「経営の高度化」の礎となるように販売・会計情報を一元化したことで、経営数値のスピーディな可視化に寄与できると考えています。
江頭様
経理視点では、品目ごとの消費税の課税/非課税や税率などのデータがマスタ化され、かつ販売管理システムと会計管理システム間のデータ連携もスムーズに改善されることから、マンパワーに頼っていた手作業が削減できています。
また、債権/債務の消込作業もマンパワーに依存していましたが、こちらもBiz∫の導入により改善され、経理部門の作業負荷を下げることができたのではないでしょうか。
今後の展望
― 今後に向けてはどのような計画や構想をお持ちでしょうか。
天野様
新システムはこれまで考えられなかった多岐にわたるデータを大量に蓄積するとともに、それらのデータを容易に出力することができます。
たとえば商品群やお客様ごとの実績データを抽出し、売れ筋商品の分析やマーケティングにつなげていくといった活用が可能となります。これらを組み合わせて、本格的なデータ分析・活用が可能な環境を整え、経営層や業務部門のユーザーに公開・提供することでデータドリブン経営の実現をシステム面からサポートしていきたいと思います。
パートナーからの一言
明治電機工業様のプロジェクトメンバー皆様の協力体制が、本プロジェクトを無事遂行できた一番の要因であると考えております。
弊社一同、心より感謝申し上げます。
本プロジェクト期間中は、責任者であるプロジェクトオーナーも定例会に参加させていただき、早期の状況把握と決断に努めてまいりました。
「お互い遠慮せず、密にコミュニケーションを取る」という大方針のもと、問題発生時も一緒になって解決方法を見出すことができました。
今後とも、様々な改善対応についてもご協力させていただき、明治電機工業様の発展に寄与したいと考えております。
(株式会社ビジネスブレイン太田昭和)
企業紹介
会社名 明治電機工業株式会社
1920年に創立し、以来100年以上にわたって日本のものづくりを強くすることを使命とし、製造業を支援する”Supporting Industry Company”として事業を展開。各営業本部、ソリューション事業本部、エンジニアリング事業本部の営業・SE・エンジニア部隊が協働し、ベストチョイスで付加価値の高いトータルソリューションを提供している。FAコンポーネントの販売のみならず、個別の顧客の要望に応じた加工や特注品の開発・製造、さらには製造ライン一式の納品まで、製造現場のあらゆるニーズに応えることが可能。こうした製造支援と製品開発支援の両面での高い専門性を強みとし、幅広い業種の製造業から高い評価を獲得している。
https://www.meijidenki.co.jp/ja/
導入事例資料
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