100万件に及ぶ消費税額の仕訳処理工数を大幅削減

~業務内容にFitしたBiz∫の操作性により属人的なExcel処理を解消~

導入前の課題

  • 不動産・ホテル・投資など好調な事業を支える会計システムが必要
  • 外資系ERPパッケージの業務プロセスと現場業務にギャップが発生
  • パッケージの周辺にさまざまな関連システムや大量のExcel処理が乱立
矢印のイメージ図

導入効果

  • 直感的な操作性により属人的なExcel処理を解消
  • 会計に熟知していないユーザーでも起票が簡単になり業務効率化を実現
  • 消費税額の計算に必要な仕訳に費やす工数を大幅に削減

「Biz∫」導入の背景

― 貴社の事業や中長期ビジョンについてお聞かせください。

波多野様

波多野 真一 様
森トラスト株式会社
社長室戦略本部
デジタルデザイン室 主任
波多野 真一 様

当社グループでは2016年に策定した前回の中長期ビジョン「Advance2027」のもと、不動産・ホテル・投資の3事業を推進してきました。こちらの目標の達成に加えコロナ禍を経た今、あらためて策定したのが現在のビジョンである「Advance2030」です。

大きな方向性は変わらず、昨今のホテル事業の盛り上がりも踏まえて新たな数値目標を設定し事業を進めています。

― 従前の会計システムにはどのような課題がありましたか。

佐藤様

佐藤 章登 様
森トラスト株式会社
社長室戦略本部
デジタルデザイン室 課長
佐藤 章登 様

各事業の成長を支えるためには、業務の土台となりつつ周辺のシステムとシームレスに連携した会計システムが必要不可欠でした。

今まで外資系のERPパッケージを利用していたのですが、実装されている業務プロセスは海外標準に基づくもので現在、国内事業を主力としている当社にとって扱いづらい部分がありました。

たとえば、固定資産管理は当社の会計業務において非常に重要なウエイトを占めていますが、法改正や税制改正などの対応が常に後手に回ることから、別途専用システムを導入して対応していました。

岩間様

岩間 優介 様
株式会社森トラスト・ホールディングス
経営管理部 会計グループ
専門部長
岩間 優介 様

システム運用の内製化を志向している当社のカルチャーとして、できる限りアドオンを増やさずパッケージの標準機能で対応したいという思いもあり、現場業務との間に生じるギャップの解消を経理部や事業部門の利用者側の創意工夫に依存していました。結果としてERPパッケージの外側にさまざまな関連システムや、各担当者による大量のExcel処理が乱立し、業務が属人化していました。

「Biz∫」選定理由

― 会計システムを刷新するにあたり、数ある製品の中から「Biz∫」の採用に至った理由をお聞かせください。

波多野様

前述した通り、当社事業は国内が大半を占めているため、国産パッケージを前提に選定にあたりました。リストアップした主要製品について比較検討し、絞り込んだ製品に対して、ベンダーにデモを依頼しました。

この最終選考で最後まで残ったのがBiz∫です。日本の法制度や税制に標準対応するほか、豊富な分析フィールドや柔軟なフィールド関連定義の機能を有している点を高く評価しました。また、ERPパッケージの周辺で運用していたシステムとの親和性が高く、シームレスに連携して利活用できることがわかり、導入を決めました。

岩間様

Biz∫が国産パッケージであることは、かなり大きなポイントです。

森トラストは不動産業のため固定資産の管理が重要な要素でしたが、従前のシステムでは要件に対応しきれず、経理側で該当機能を別製品に乗せ換えて運用をしていました。

佐藤様

別プロジェクトではあるものの社内の業務改善とペーパーレス化を目指した取り組みで「intra-mart」を用いた申請・承認ワークフローの開発を進めています。同じintra-martを基盤とするBiz∫ならでは、将来的な統合も可能と考え選定に至りました。

導入プロジェクト

― これまでの導入プロジェクトの進捗状況をお聞かせください。

岩間様

システム部門(デジタルデザイン室)と経理部門(会計グループ)の双方からメンバーが集結し、2022年10月に要件定義を開始、その後に基本設計から開発へとフェーズを進め、2024年4月に本番稼働に至りました。

― プロジェクトを通じて、印象に残っているエピソードについてお聞かせください。

門屋様

門屋 志保 様
株式会社森トラスト・ホールディングス
経営管理部 会計グループ
○○○○
門屋 志保 様

経理部門側の繁忙期をあらかじめ考慮したうえで年間スケジュールを組み、プロジェクトを進めていただいたおかげで、マスターデータの改変・統合など時間を要する議論にも比較的余裕をもって臨むことができました。したがって苦労したというよりも、「プロジェクトをやりきることができた」という達成感がより強く残っています。

岩間様

経理部門側のメンバーは通常業務と兼務でプロジェクトに参加しており、途中では四半期ごとの決算を何度もこなす必要がありました。ただ、思ったほど負荷は増えなかったのも事実です。

波多野様

システム部門側では途中でメンバー変更があり、引継ぎに苦労した場面もありましたが、Biz∫導入パートナーであるビジネスブレイン太田昭和(BBS)が的確にコミュニケーションを補ってくれました。

― システム部門と経理部門の連携についてはいかがでしょうか。

岩間様

実は、私は以前、システム部門に在籍しておりました。また、システム部門側の主要メンバーも経理部門での実務を経験しています。 もともと互いの課題や思いを熟知しており、当社において両者の意思疎通を阻害する壁がないことも、プロジェクトがスムーズに進行した要因につながっています。

導入後の効果

― Biz∫会計を導入したことで業務はどのように改善されましたか。

門屋様

経理部門の業務が大きく効率化されました。最たるものが消費税の計算です。従前のERPパッケージは課税標準のマスターをもっておらず、伝票単位で消費税率を登録していたため、それらを個別に仕訳けて消費税額の理論値と一致させなければなりません。紐づく項目は100万件以上にも上るため、この作業に数日費やしていました。

Biz∫会計が稼働を開始した現在は、消費税のレポートを出力して理論値から外れた科目をすぐに発見し、ドリルダウンして内容を確認できるなど、工数を大幅に削減しています。 この感動は言い尽くせないほどです。

岩間様

森トラストの経理部門では入金伝票、出金伝票、振替伝票の3伝票制を採用しておりますが、こちらに対してシステムを直感的に操作することができるため属人化していた大量のExcel処理は、ほとんどBiz∫で対応できています。

佐藤様

Biz∫の導入時にはフロント機能の実装も合わせて進めることで、会計に詳しい知識をもたない方も簡単に伝票を起票でき、申請・承認ワークフローを流せるようしました。

今まで各部門の担当書は伝票を起票する際に、消費税率や勘定科目の設定など、その都度判断、あるいは経理部門に問い合わせて入力しなければなりませんでしたが、こちらの導入により、事業部門における負担も軽減しました。

今後の展望

― 今後に向けた計画や構想をお聞かせください。

佐藤様

会計システムの土台が整ったことで、周辺システムとの連携を引き続き進めていきたいと考えています。

もう1つの目標は、Biz∫からアウトプットされるデータの活用です。全社的なデータレイクやデータウェアハウスを整備し、営業やマーケティングなど上流の業務プロセスから生成されるデータと共に会計関連のデータを蓄積し、複合的な分析を行えるようにすることで、データドリブン経営の実現に寄与していけたらと考えています。

岩間様

従前のERPパッケージと比べ、Biz∫はシステムの操作スキルの習熟に費やす時間が大幅に短縮されています。このメリットを生かし、経理部門に新たに配属される人材に対して、会計に関する専門知識の習得により重点を置いた育成・トレーニングを進めていこうとしています。また、できる限り早期に一部海外を含む子会社にも同じ会計システムの横展開を図り、グループ全体の業務改善を図っていきたいと考えています。

パートナーからの一言

※ここにパートナー様から300文字程度挿入

(株式会社ビジネスブレイン太田昭和)

企業紹介

会社名 森トラスト株式会社

創業以来約70年にわたり、日本の都心部の大型複合開発や主要リゾート地でのホテル&リゾート事業を手掛けてきた不動産ディベロッパー。不動産事業においては、ビジネス・観光・文化発信の拠点として多様な人々の「目的地となる街」を実現するべく、プロジェクトを推進している。ホテル&リゾート事業においては、世界に誇れる日本の魅力を広く発信すべく、日本各地の都市部やリゾート地にグローバルスタンダードの外資系ホテルを誘致・開発する「ラグジュアリー・デスティネーション・ネットワーク」構想を掲げ、新規開業を推し進めている。

https://www.mori-trust.co.jp/

森トラスト様