ティーメディクス株式会社 様
~医療への貢献をモットーに持続的成長を目指して 業務プロセスを変革、成功の鍵はお客様の期待を超える価値の提供~
ティーメディクス株式会社は、オリンパス株式会社様のグループ企業として「医療への貢献」と「信頼」をモットーに、医療現場で役立つさまざまなサービスを展開しています。
同社の主たる事業は、最新鋭の内視鏡システムの「症例単価払い」(VPP:Value Per Procedure)サービスです。VPPは、リースや一括購入とは異なり、実施症例数に応じた料金の支払い方式、かつ機器の運用最適化が可能な同社の独自サービスであり、内視鏡で世界トップシェアを誇るオリンパスの製品力が強みです。
また、VPP事業を通じて得られた知見を元に、機器導入コンサルティングや医療現場のニーズを捉えた商品をラインナップし、「医療と経営の最適化」を実現するソリューションを提供しています。
ティーメディクスは、創立10周年を機に、将来に向けた持続的な成長を実現するための業務改善計画の一環として、業務システムを刷新しました。
販売管理及び会計管理の一部の領域に「Biz∫」を利用し、さらに契約書や請求書管理などのフロント業務を包含するシステム基盤を構築したことで、情報の一元化、可視化を実現し現場の業務効率化、業務品質強化の端緒を開きました。
導入に至るまでの経緯と新システムの活用状況について、伺いました。
目次
導入前の課題と効果
導入前の課題
- 業務処理が煩雑で契約数の増大に対応しきれていない
- 症例実績や売上計上等に必要なデータの入手に時間がかかる
- 受注から請求まで異なるシステム間で二重登録や転記漏れが発生し事務負荷が増大
- 属人化しており、業務全体を俯瞰できない
導入効果
- 契約の増加に対応できるシステム基盤の構築
- データの入手や分析、レポート作成がタイムリーに行える
- 作業の重複や漏れ、ミスが抑制され、業務品質が向上
- 情報の「見える化」を実現、社員の意識改善の契機に
導入背景
新たな業務システム検討に至った背景についてお伺いします。
弓削様
基幹事業であるVPPサービスは、全国の医療機関でご利用いただいており、導入施設数が順調に増えています。当社では、お客様のニーズに合わせてVPPのメニューや内容をブラッシュアップしながらサービスをご提供し続けてきました。
しかしながら、従前の業務システムの陳腐化や、契約件数の年々の増加による担当者の業務負荷の増大や、業務の属人化による弊害など、さまざまな業務上の問題を抱えていました。
従前は、担当部門や担当者が作成したエクセルファイルの台帳での管理が大半だったため、データの参照やファイルを探すのに苦労していました。また、請求漏れや請求金額の間違いなどのミスも発生していました。
そこで、創立10周年を迎えた節目の年に、これからの持続的な成長に向けた「業務改善プロジェクト」が全社的に立ち上がりました。
将来を見据えてどのように業務を改善すればよいか、業務のあるべき姿を検討していく中で、業務上の問題点の多くがシステム基盤に起因していることが判明しました。そのような背景から、業務システム基盤の見直しがクローズアップされたのです。
従前の業務システムでは具体的にどのような問題があったのでしょうか。
星野様
VPPの請求書発行業務においては、症例実績数の登録から請求書を発行するまで2~3システムを経由する必要があり、都度入力の手間と時間がかかる上に、二重入力や転記によるミス発生につながっていました。
また、従前の販売管理システムは業務領域が限られており、他システムと連携する仕組みが最低限しか無かったため、人手を介する作業が多く発生していました。
例えば、売上計上プロセスでは、担当部門で作成した請求書関連のデータをシステムから一旦ダウンロードして、経理部門が会計システムに再度登録し直すといった作業が発生しており、大変非効率でした。
システム再構築において、どのような目標設定をされましたか。
星野様
年々増加する契約件数に対応できる業務の見直し/システム基盤の構築を目的とし、短期間で実現可能な施策を2015年9月までに定着させること、業務システムを起点とした効率の良い業務運用を2016年度から開始することを目標としました。
弓削様
先ほど述べたとおり、業務改革がそもそもの発端であるため、システムの見直しによるコスト削減というよりも、むしろ業務の標準化や見える化による業務効率アップや全体最適化に比重をおきました。つまり、業務が増えたからといって、単純に人員を増やすのではなく、一定の人員で対応できるような業務のやり方に改善しようという考え方です。システム投資にかける費用は、将来的な業務増加に対してペイできるかという観点から算出しました。
システム選定において重視された点を教えてください。
星野様
最も重視したのは、将来業務要件の実現性です。具体的には、「業務改善プロジェクト」で設定した必要な機能や処理が実現できるかどうかです。
次に、費用です。複数社に提案を依頼し、プレゼン審査を経て開発ベンダーを決定しました。
「Biz∫」を採用した理由を教えてください。
星野様
まずは、標準業務のカバー領域が広かったことです。「Biz∫」パッケージ標準機能の利用は債権・債務など会計領域の一部であったものの、自社の業務要件をしっかり網羅していました。
また、システムの作り込みが多く発生する予定でしたので、業務に応じて柔軟にカスタマイズやアドオンで拡張できる仕組みが整っていることも魅力的でした。
さらに、「Biz∫」は、ワークフロー機能を持つ「intra-mart」とスムーズに連携できるため、契約締結の承認処理の簡素化につながると考えました。
プロジェクト概要
導入プロジェクトについてお伺いします。初の大規模導入プロジェクトでご苦労された点も多かったと推察します。
弓削様
キックオフから本稼働まで約1年2カ月間にわたるプロジェクトでした。社長がプロジェクト・オーナーとなり、我々3名がプロジェクト・コアメンバーに任命され、全社一丸となって進めました。
プロジェクト前半の要件定義フェーズは、将来を見据えた業務イメージをもとにシステムの機能をどう実現するかを詰めていきました。大変だったのがプロジェクト後半です。作業量の増大に対応しきれず、私含めてコアメンバーが作業にかかりきりになってしまったことが反省点です。
星野様
苦労したのはデータの移行です。従前のシステムには入っていない項目やデータを新システムに登録するために、社内に散在している契約書やエクセルファイルの台帳などから1件ずつ探しだし、データの整合性について確認を行いました。データ数も多く品質チェックにかなり時間を費やしました。
小林様
医療機関との契約の元となる試算表の作成を担当したのですが、データの投入口から検証していく必要があるため、関連部門との打合せが増え、作業に忙殺されました。
メンバー全員が通常の業務と兼務で行っていたため人的リソースも限られており、時間的にも余裕がなく、スケジュールを守るのが精いっぱいでした。
そのような苦しい状況の中、導入パートナーには開発や技術サポートだけでなく、業務に関連したご提案をいただくなど、いろいろな面で助けられました。
プロジェクトが無事終了したのも、販売管理や契約システムの知見が豊富で、発生している問題を察知してスピーディに対策を講じてくれた導入パートナーのご尽力のお蔭だと感謝しています。
新システムの稼働状況はいかがですか。
弓削様
本稼働して半年が経過したところですが、まだ慣れておらず、右往左往しているというのが正直な感想です。
「前はこうだったのに」と新しい機能や操作に戸惑う声や、エクセルファイルの台帳管理がシステム化されたことで不自由さを訴える社員も少なくありませんが、これは時間をかけて操作に慣れていくことと、システム化の意義を理解してもらうことが重要だと考えています。
現在、ほぼ全社員が利用しており、プロジェクトを通じて部署間のコミュニケーションも増えたと感じています。改善すべき点については、社内で意見交換しながら対応策を考えていきたいです。
小林様
豊富な機能はあるものの、まだ十分に使いこなせていないというのが実情です。
当社のビジネススキームの複雑さに起因する不具合も一部発生していますが、1つ1つ検証しながら問題を解決していきます
導入効果
当初の目的は達成されましたでしょうか。これまでの導入効果について教えてください。
弓削様
年々増加する契約書への対応が可能なシステム基盤が構築でき、ひとまず本プロジェクトは成功しました。 新システムの効果としては、社内に散在していた注文状況から契約終了までの情報が一元化され、必要な情報が「常に見える」状態になりました。
社員にとっても、業務を見直す良い契機となったと思います。自分が入力するデータが社内でどう活用されているのか重要性を認識するようになり、これから事務作業に対する意識が変わってくると期待しています。
星野様
請求書発行までの複数のプロセスが1システムで完結し、エクセルファイルの台帳も1/3に減り、全社的な業務効率化の目途が立ちました。 「intra-mart」のワークフローは権限設定や承認ルート設定、アカウント管理などが簡単に行えるため、利便性も向上しました。
小林様
あらゆるデータがシステムに格納されているので、見たいときに見たいデータを迅速に取り出せることが大きなメリットです。これまでは、データの分析や報告書作成に苦労していましたので、大幅に改善されましたね。営業担当者からの照会に対しても、より早く回答できるようになりました。
親会社へのレポート提出に関しても、データ連携の仕組みができたので、今後はかかる時間を半分程度に削減できそうです。
「帳票EUCソリューション」として、「Biz∫ Motion Board」を利用していると伺いました。どのような業務に利用されているのでしょうか。
星野様
業務で使用する各種帳票の加工と出力に利用しています。これまでは、帳票のレイアウト変更や項目追加が必要な場合は外部に委託しており、納品までに数日かかっていました。
現在は、担当部門からの依頼を受けて情報システム部門で作っています。帳票のパターンが多く変更の頻度も高いため、内製化することでより迅速に対応できるようになりました。 「Biz∫ Motion Board」は、社内システムのデータからリアルタイムで帳票を作成できるので重宝しています。
今後の課題
今後の取り組みについてお聞かせください。
弓削様
当面は、新システムを「使いこなす」ことが課題です。運用後に発生した課題については、早期に解決し改善活動を継続していきます。次回の改修や他のシステム導入に際しては、今回得られた知識や経験をぜひ役立てたいと思います。
将来的には、データ分析機能を活用したいです。グラフやチャートなどビジュアル化するツールが揃っているので、営業戦略の立案に利用できると考えています。
星野様
社内ポータルが一元化できればより便利になると思いますね。例えば、総務系の手続きなどメール主体の連絡をWebシステム基盤上で行えるようになれば、地方拠点とのやり取りにも役立ちそうです。
「intra-mart」を情報共有基盤として、現状のグループウェアでは実現できていない領域にまで踏み込んで業務の効率化を追求していければと考えます。
会社概要
会社名 | ティーメディクス株式会社 |
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所在地 | 〒163-0914 東京都新宿区西新宿2-3-1 新宿モノリス |
代表者 | 代表取締役社長 藤井 啓祐 |
資本金 | 50,000,000円 |
事業内容 |
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導入事例資料
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