グループ100社、2万人のユーザーが利用する
「Biz∫」導入プロジェクト
~「経営に貢献する経理」へ向けた会計システムの共通化~
目次
導入前の課題と効果
導入前
- 事業ドメインが異なるため、グループ会社の動きが把握しにくくガバナンスが難しい
- グループ会社における会計システム及び業務のガラパゴス化
- 「経営に貢献する経理」への変革が必要
導入効果
- 会計システムを通してグループ会社の状況を随時確認でき、統制が容易に
- Biz∫の標準機能に合わせることで、バラバラだった業務の見直し・効率化を実現
- 分析の目的、ニーズに合わせて自由なデータの活用が可能
「Biz∫」導入経緯
― 会計システムの更改に至る背景や課題をお聞かせください。
島田様
私たち東急㈱グループは交通、不動産、生活サービス、ホテルリゾートといった分野を軸に新しいライフスタイルを提案しつつ、それぞれのエリア、地域の価値向上につながる事業を展開しています。
事業ドメインは多岐にわたり、100を超えるグループ会社を有しております。それぞれに事業内容が大きく異なるため、各社の特長を生かすには、事業や事業領域を研ぎ澄ましていく必要があります。
その一方で、会計システムを含めたバックオフィスについては共通化して集約し、効率的に強くしなければならないと課題を感じていました。
―どのような課題があり、何を目指して「Biz∫」の導入を進めたのでしょうか。
島田様
これだけ多様なドメインを抱え、多岐にわたる事業を展開していると、本社の経理としては「各社が何をしているのかが見えにくい」という課題がありました。本来会計業務のコアな部分は大きく変わらないはずですが、各社が異なる会計システムを使い、工夫しながら独自の発展を遂げた結果、問題が生じたときに原因究明や是正にも手間取ることが多くなっていたのです。
しかし経理の本来の仕事は「取引を記帳して財務諸表を作って終わり」ではありません。その先には「経営に貢献する」という役割があるべきです。そこで経理の共通化へと舵を切りました。各社がそれぞれの事業にあった会計システムを使っていくのではなく、大きな一つの枠組みの中でグループ全体を管理できる必要があると考え、「Biz∫」を導入しました。
「Biz∫」選定理由
― 「Biz∫」を選定した理由をお聞かせください。
島田様
東急㈱グループの事業ドメインがかなり広いため、業務の適合率を重点に検討しました。
従来、各社が利用してきた会計システムは、それぞれのニーズにシステムを合わせるという発想で構築したものでした。ところがグループ全社で会計システムの共通化を図ろうとすると、従来とは逆のアプローチになります。つまり、自社の特殊業務をなるべく排除したシンプルな開発を行い、会計システムが持っている標準機能を生かす形で構築しなければいけません。
その点、「Biz∫」は他社のシステムと比較しても業務のカバー率が高く、NTTデータグループの製品であるため安心感があり、大きな選定ポイントになりました。加えて「Biz∫」には、同業他社での導入事例、特に鉄道系の連結子会社を集約したという実績も持っていました。
「Biz∫」導入プロジェクト
― 導入はどのように進めていったのですか。
島田様
2016年2月、連結各社に「会計システムの共通化」の通知を発出しました。そして要件定義を行い、「Biz∫」を一部の会社に導入、使い始めたのが2017年の9月になります。その後、グループ会社それぞれの旧会計システムの更新期限に合わせて「Biz∫」への切り替えを進め、2022年の7月、最後に東急株式会社および東急電鉄株式会社に導入し終えたことで、「Biz∫」への刷新プロジェクトがクローズしました。
会社の数も多く、IT基盤も揃っていない中で会計システムを共通化するのはチャレンジングな試みでした。経理業務を担当しているのは約500人、事業部門として経理に関わっているところまで含めると1,500~1,600人、さらに参照系システムまで含めると2万ものユーザーが「Biz∫」を利用することになりますので、かなり裾野が広く、恩恵を被るユーザー数は相当数に上ります。
― 導入を進めるうえで印象的なエピソードをお聞かせください。
島田様
実際に導入を進めていくと、「やっぱりこの機能が足りない」ということもありました。そのため、システム更改時に大きなギャップが生じると思われるような会社とは、早いタイミングで膝を詰めて協議を行っています。
特に気を使ったのは、納得感を伴ったグループ各社の巻き込みでした。強引に「Biz∫」への切り替えを進めると、それぞれの経理担当者からすれば、「今まで便利に使っていたシステムを取り上げるのか」という気持ちが生まれるのは当然です。また、経理以外の関係者にもプロジェクトの意義を理解していただく必要があります。
そこで私たちは「全方位コミュニケーション」として、多くの関係者に背景や意図を伝え、理解してもらった上で進めるよう注力しました。
こうした取り組みは、グループ報にプロジェクト担当者のインタビューとして掲載されました。その中で、「”当初はネガティブ”という感想を持っていたのが、現場層からトップ層まで丹念に説明をする姿を見てプロジェクトの本気度が伝わり、”今では、良いシステムにしたいという気持ちが強くなっています”」 という記事を見て、目頭が熱くなったのを覚えています。
「Biz∫」導入効果
― 「Biz∫」導入による効果をお聞かせください。
島田様
経理システムの共通化によって、連結する子会社が何をしているかを確認したいという目的がありましたので、本社部門が会計システムを通してグループ会社の状況を見られるようになった点は大きいです。
また、BIツールで分析したいなどの目的、ニーズに合わせて検索や出力ができ、データの出し入れが以前に比べて柔軟になりました。合わせて、グループ全体で「Biz∫」という共通基盤にしたことで、業務の集約化や改善、ペーパーレスも進めやすくなると考えています。
一部の現場からは「以前できていた機能がなくなった」という声もありますが、よく聞いてみると「できなくなった」わけではなく、別の方法で代用できるケースがありました。従来は業務に合わせてシステムを作りこんでいましたが、今回の刷新を契機に標準機能に業務を合わせたり、アプローチを変えることで対応できるようになりました。
今後の展望
― これからの展望をお聞かせください。
島田様
この会計システムは一つの大きなプラットフォームだと位置づけています。私たちは、「Biz∫」導入以外にも経理業務を効率化、省力化するさまざまなプロジェクトを立ち上げています。これが成功すれば、経理現場のリソースをより経営に役立てることが可能です。そのようなプロジェクトを始動できるのも、同じ会計システムで業務を共通化したからこそ生まれるメリットの一つです。
このように、連結各社が同じプラットフォームの上で業務を進め、いくつかの事例が生まれ始めたというのは大きな成果です。この恩恵は、今後全社に広がっていくでしょう。同じものを使っていれば、グループ会社の中で「あの会社がこういう取り組みを始めたので、うちも始めよう」という波及効果も出てくると思いますし、期待しているところでもあります。
今回の「Biz∫」導入はチャレンジとして取り組ませていただきました。NTTデータ・ビズインテグラルには、我々が使っていく中で出てきたフィードバックを取り込みながら、今後も新しいチャレンジを続けて欲しいです。NTTデータ・ビズインテグラルとは、そのようなプロセスを一緒に歩めると考えています。
また、他社事例も我々にフィードバックいただきつつ、それらを反映することで「Biz∫を使ってよかった」というユーザーが増えることを期待しています。
パートナーからの一言
本プロジェクトの一番の成功要因は、東急様の強い【変革】に対する意識と考えております。
要件定義では既存機能と製品標準機能との差異を検出することもありましたが、既存業務の在り方を見つめ直し弊社が提案するBiz∫を活用した運用をブラッシュアップして頂き、新たな業務フローとして採用して頂くことが多くありました。
結果、個社固有のカスマイズは極小化されたため、拡張性を確保した強固な共通会計システムを構築することができたと考えおります。東急様と弊社は同じ目標達成を目指す仲間として活動させて頂いたことに感謝しております。
やりがいの大きいプロジェクトだったため離任メンバからも、このまま続けたい、また戻ってきたい等の声が多く出る様な素晴らしいプロジェクトでした。全グループ会社導入という当初の壮大な目標は達成しましたが、今後もBiz∫を起点に東急グループ様に新たな価値を提供できるような施策を
提案、実施させて頂きたいと考えております。
株式会社 NTTデータ
企業紹介
会社名 東急株式会社
1922年創立。本年創立100周年を迎えたを超える伝統と培ってきたノウハウをもとに、地域の価値向上を目指した交通事業や不動産事業、生活サービス事業など、幅広い事業展開を行っている。グループ会社として224社5法人(2022年3月末日時点)を抱え、それぞれが「美しい時代へ」というスローガンを掲げながら、地域に根差した経営を進めている。
https://www.tokyu.co.jp/index.html
高橋様
私たち東急㈱グループは交通、不動産、生活サービス、ホテルリゾートといった分野を軸に新しいライフスタイルを提案しつつ、それぞれのエリア、地域の価値向上につながる事業を展開しています。
事業ドメインは多岐にわたり、100を超えるグループ会社を有しております。それぞれに事業内容が大きく異なるため、各社の特長を生かすには、事業や事業領域を研ぎ澄ましていく必要があります。
その一方で、会計システムを含めたバックオフィスについては共通化して集約し、効率的に強くしなければならないと課題を感じていました。
高橋さま
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