2015年からBiz∫を長期利用

~デジタル放送に4K、ネット配信など変わり続けるメディア事業を支えるERPとは~

導入前の課題と効果

導入前の課題

  • 海外製の会計システムを使用していたが、日本の商習慣と乖離があった
  • チャンネル増加、ネット配信など事業が拡大する中、放送事業に特化した既存の会計システムを部員の手作業でなんとか対応をしていた
  • 将来の事業成長を見据え、理想の経理業務に向いている会計システムへの刷新が必要
矢印のイメージ図

導入効果

  • 日本の商習慣にマッチし、将来の事業拡大にも対応可能
  • 法改正、会計基準の変更なども、NTTデータ・ビズインテグラルがバージョンアップで対応するため、安心して長期利用できる
  • データの利活用促進に加え、残業削減に寄与

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「Biz∫」導入経緯

― 貴社の事業についてお聞かせください。

西岡様

西岡 知之様
株式会社WOWOW
経営管理局 担当局長 兼 経理部 経理部長
西岡 知之 様

日本初の民間衛星放送局として設立したWOWOWは、さまざまな有料放送事業を展開してきました。1991年に開局した当初はBSアナログ放送が中心でしたが、現在ではBSデジタル放送、CS放送やケーブルテレビ、IPTV、4K、さらにはインターネットでの動画配信サービス「WOWOWオンデマンド」などへと事業を広げてきました。
また自社映画レーベル「WOWOW FILMS」による映画事業、音楽、ステージなどのイベントを開催するイベントビジネス事業も展開しています。

私たちが重視しているのは、WOWOWを支えてくださっている会員の皆さまを第一に考えること。「こういうコンテンツが見たい」「こんなサービスが欲しい」などと寄せられるお声に応えつつ、いつでもどこでも、デバイスを問わずにWOWOWならではのエンターテインメントをご堪能いただける形を目指して事業を展開しています。

―  Biz∫の導入前の課題についてお聞かせください。

西岡様

Biz∫導入前は、海外製品のERPパッケージ型の会計システムを使用していました。これは番組の制作、放送に適したカスタマイズを行い、いわば「放送サービスに特化した会計システム」と言えるものでした。ところがWOWOWの事業は、ネット配信、映画、イベントを手掛けるなど、従来の放送サービスの枠を超えるようになっていました。放送とネット配信では会計処理が異なるところもあり、以前の会計システムで対応できない処理は部員の手作業で決算を乗り切っていたのが実状でした。

加えて、WOWOWのサービス拡大に伴い、会計業務の負担が増加していく中で、「将来を見据えるなら、会計システムの刷新は不可欠」と考え、2015年に従来の会計システムからBiz∫へ刷新しました。

「Biz∫」選定理由と導入プロジェクト

―  Biz∫を選定した理由についてお聞かせください。

西岡様

まず、日本の商慣習に即した形で作り上げられているパッケージであると、第一印象で感じました。
例えば、ユーザーインターフェイスにおけるレイアウトや入力フォームの操作感がスムーズな点に加え、「こういう機能は必要だよね」という機能は軒並みそろっています。
また、Biz∫は、前身であるSCAWから長きにわたってノウハウを蓄積しており、ストレスなく使えると考えました。

以前に使っていた海外製ERPパッケージは、データ構造が不明確かつ英語がベースだったため、使いたいデータへのアクセスに時間を要していましたが、Biz∫であればデータ構造がわかりやすく、データ活用や分析がしやすいと思いました。

―  Biz∫の導入は、どのように進めたのでしょうか。

西岡様

新会計システムへの刷新プロジェクトに取り組む際に意識したのは「システムを入れ替える前に、WOWOWの業務そのものを見直そう」ということでした。
事業が増える度に機能を追加するのでは、システムは肥大化していくだけです。そこで「システムありき」で考えるのではなく、「業務のスリム化」を心がけました。そして今後目指している事業、サービスを見据えた上で「理想の業務体系」を想定し、それを実現できるシステムを考えていく形で進めました。

「Biz∫」導入効果

―  Biz∫導入効果をお聞かせください。

西岡様

効果として感じるのは、データ活用の大幅な改善です。以前の製品では、データを抽出する際に、開発ベンダーに依頼してから一週間ほど待つ必要がありました。しかしBiz∫であれば、内部のデータをCSV形式で自由に取り出せます。

これにより、システム部門の手を借りることなく、経理部門主導でデータをスピーディに活用できるようになりました。全体的に作業効率が格段に向上しただけでなく、業務改革も行いやすくなったと感じています。

また、日々の業務時間の効率化も進みました。現場からの前払いの依頼があった場合、経理としては、前払いの領収書や請求書を見て、後から「これは〇月分のもの」と手作業で処理していたのですが、Biz∫の標準機能である「経過勘定処理」を使うと自動的に処理できます。そのようにして業務改善を進めた結果、以前よりも1人当たり月の業務時間が相当削減できています。

「Biz∫」長期利用のメリット

―  Biz∫を長期にわたって使ってきて、見えてきたメリットはなんでしょうか。

西岡様

経理はミスが許されない仕事ですが、国産パッケージであるBiz∫を利用することで「安心して業務を進められる」という点です。
例えば法改正、会計基準の改定などで経理業務に影響を及ぼすことあり、そのような事態に対して、以前の製品は各方面と調整しながら、さまざまな工夫をして乗り切っていました。
しかし今は経理部門で特段対応策を検討しなくても、NTTデータ・ビズインテグラルによってBiz∫のバージョンアップなどで対応していただけるため、安心感をもって業務を進めることができます。

WOWOWでもBiz∫を活用している過程でさまざまなノウハウが蓄積されてきましたが、それは1社だけのことではありません。Biz∫という製品を使っている企業も増え、いろいろな業種、業界でのノウハウも蓄積され、それがBiz∫の良さを高めていっていると思っています。そのメリットを享受できるのも、長く使っているからこそと言えるでしょう。

また、放送業界特有の事情を踏まえてBiz∫を提案・構築してくださったJSOLさんと今なお良い信頼関係を築けているのもメリットだと感じています。

2015年からBiz∫を利用していますが、改めて「使い続けてよかった」と実感しています。

今後の展望

―  これからの展望をお聞かせください。

西岡様

経営管理の役目には「この領域が成長領域だから、投資するべき」と提言することも含まれます。WOWOWという会社自身が迅速な変革を行っていこうという中で、いかに早く経営管理部門が提言し、経理部が変革に必要な情報を経営層に伝えていけるかが、これからの大きな課題です。このような課題に対してデジタル技術を駆使することで、スピード感をもった変革を実現したいと考えています。

パートナーからの一言

WOWOW様の事業拡大ならびに業務の最適化を踏まえたご要請を踏まえ、Biz∫とintra-martの組み合わせがご要請に最も適う製品選定と考え、提案させて頂きました。

当社としても大手放送業向けの大規模システム導入は初めてであり、チャレンジングなプロジェクトとなりましたが、「理想の業務モデル」の確立に向けたお客様の多大なるお力添えをプロジェクトを通じて頂けたお陰で、無事に本番稼働を迎えることが出来ました。

当該プロジェクトを契機として、お客様とは長年に亘る強固なパートナーシップを築けました。当社としても放送業界におけるERP導入の業務知見を学ばせて頂きました。

今後もWOWOW様の経営高度化に向けた取り組みをご支援できればと存じます。

企業紹介

会社名 株式会社WOWOW
1984年創立。映画やドラマ、スポーツ、演劇や音楽、アニメ、ドキュメンタリーなどさまざまなジャンルのコンテンツを制作、調達して提供している。1991年BSアナログ放送をスタートして開局以降、BSデジタル放送、4K放送、WOWOWオンデマンドなどへ事業を広げている。

https://www.wowow.co.jp/