受注生産型製造業に特化!短期導入可能な設備工事・エンジニアリング業向けERP
「プロジェクト単位」で情報や数字の管理を行いたい
プラントやさまざまな設備の工事・施工を担うエンジニアリング業は、典型的な受注生産型企業としてプロジェクト型の業務を遂行しています。
ただ、工事・施工が完了して顧客に引き渡したとしても、それで終わりではありません。ほとんどの場合、保守・メンテナンスといった業務に引き継がれていきます。また、対象となるプラントや設備のライフサイクルは数十年に及ぶことがあり、その間にもさまざまな追加工事や付帯作業が発生することになります。
これが製品やサービスを売り切り型で提供している他の業界とエンジニアリング業の最大の違いであり、受注契約やプロジェクト原価管理、購買管理、在庫管理、債券・債務管理などの業務は複雑化しがちです。
しかし、これらの業務が必ずしも単一の基幹システム上で運用されているわけではありません。業務ごとに複数のシステムが乱立しており、個別に伝票登録が行われるなど情報の統制が取れていない企業が少なくありません。したがって、例えばプロジェクトや工事といった単位で原価を調べようとしても、すぐには正確な回答を得られないのが実情です。
プロジェクト単位で損益管理ができる仕組みづくり
エンジニアリング業が着実に収益を上げて持続的な成長を遂げていくためには、精緻かつ迅速な原価計算や進捗管理などが必須であり、そのためには複数のシステムに分散していた情報を統合化された基幹システムに集め、一元管理する必要があります。
それにはまず、各プロジェクトを工事番号や製造番号に紐づけて損益管理ができるようにしなければなりません。契約・請求・入金は契約単位で管理する一方、売上や原価(コスト収集)は工事単位で管理するといった柔軟性が求められます。
そうした中で重要となるのは、契約番号と工事番号を「契約1件:工事1件」や「契約1件:工事N件」、「契約N件:工事1件」だけでなく、「契約N件:工事N件」のパターンでも関連付けられるようにする仕組みづくりです。
これによりプロジェクト内で改良工事などの追加工事が発生した場合でも、複数の契約と複数の工事を1つの受注情報として関連付けて管理することが可能となります。
そのほか、部門・工事単位での予実管理や着地見込を入力する機能、労務費や間接費などの原価を配賦する機能、担当者のExcelで管理されている受注契約情報や検収情報などのデータを基幹システムに取り込む機能、工事完成基準や部分完成基準、工事進行基準に沿って売上計上する機能、Web上で仕入先との見積依頼から発注、検収までの処理を完結できる電子発注機能なども、基幹システムに実装しておきたい仕組みとなります。
業界特化型ERPテンプレート「Project-Space」を提供
上記のような課題解決のアプローチに基づき、NTTデータ ビズインテグラルでは設備工事・エンジニアリング業をはじめとする受注生産型製造業に特化したERPテンプレートとして「Project-Space」を提供しています。
Biz∫をベースとし、受注契約からプロジェクト原価管理、購買管理、在庫管理、債券管理、債務管理、一般会計、資産管理、電子発注(発注EDI)まで幅広い業務をサポートするとともに業界特有の機能を実装し、カスタマイズを極力抑えて導入することが可能です。
また、Biz∫のシステム共通基盤である「intra-mart」に搭載されている「ポータル」や簡易BI機能の「ViewCreator」、複雑な決裁ルールをシステム化する「ワークフロー」などの機能を併用することで、全社組織およびすべてのグループ会社をまたいだ情報共有・コラボレーションと基幹系が一体で動作する統合システムを実現することができます。
もちろんProject-Space自体も、Biz∫のシングルインスタンス(同一基盤)/マルチテナント(複数会社の共同利用)環境に対応しており、ユーザーは複数会社をシングルサインオンで切り替えながら操作することができます。
エンジニアリング業に適した「Project-Space」の具体的な機能
Project-Spaceの具体的な機能としては、複数の契約と複数の工事を1つの受注情報として関連付けて管理するほか、同じ受注登録画面上で提供される受注確度の設定機能により、正式受注前の先行作業への対応(先行発番)や引合案件管理を行うことが可能です。これにより例えば未成約の受注情報についても、工事番号の先行発番をはじめ売上予定や請求予定の登録を行うことができます。
加えてProject-Spaceでは、進行基準工事、完成基準工事、部分完成基準工事による売上計上に対応しており、工事単位に任意の売上基準を選択することができます。
材料発注ではエンジニアリング業でよくある前払いの発注や有償支給発注の登録、外注発注でも一部支払保留率の指定など業界特有の商習慣に対応します。
さらに実行予算登録機能では、工事やプロジェクト単位で実行予算を立てることで、予算コードごとの予算策定やタスク(工程)ごとの予算検討、月ごとの予実差異の確認などを行うことが可能です。
原価については、作業時間と予定単価を元に配賦計算を行うほか、会計の仕訳(費用勘定)を取り込んで原価情報を作成し、経費や購買として発生した費用との連携を行うことができます。またプロジェクトに対する原価の振替に関しては複数の方法に対応し、各部門で収益責任を明確化できるようにしています。
こうしたProject-Spaceによりテンプレート化された機能を活用することで、エンジニアリング業は、プロジェクトや工程(タスク)の単位での予算検討や実績把握、ひいては収益の確認を行うことが可能となります。
なお、Project-Spaceはすべてのテンプレートを最初から一括して導入する必要はありません。モジュール単位やユーザー単位での導入も可能となっており、スモールスタートで機能を拡張していけることも重要なポイントとなっています。これにより、さまざまな規模のお客様に適したシステムの提供も可能です。